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神々は渇く(Les Dieux ont Soif : Anatole France 1912)

神々は渇く (岩波文庫 赤 543-3)神々は渇く (岩波文庫 赤 543-3)
(1977/05/16)
アナトール・フランス

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フランス文学好きとしては,絶対に読んでおかなければいけない一冊.アナトール・フランス(1844-1924)の代表作“神々は渇く”です.19世紀から20世紀初頭にかけての文学の雰囲気に満ち溢れた傑作.

あらすじ
フランス革命の混乱期の真っただ中.しがない売れない画家の卵であったエヴァリスト・ガムランは共和主義に傾倒していく.そして,ついに革命裁判所の陪審員に選ばれる.そこは,恐怖政治の時代に数多くの人をギロチンへと送った裁判所だった...

純朴な1人の青年が,時代の狂気に飲み込まれていく様の描写は見事としか言いようがありません.それと同時に,貴族も名もない娼婦も同じように処刑されていく異常な時代に圧倒されます.
しかし,信念に従って次々と罪なき人々をギロチンへ送って行ったエヴァリストも決して狂人として描かれているわけではありません.彼自身,自分もいつか滅びゆく身だと分っていたのです.ほんの数年生まれる時期が違えば,幸せな家庭を築き,貧しいながら平凡に暮らせていたはずでした.純粋であるがゆえに,歪んだ愛国心に突き動かされてしまっただと思います.
破滅が静かに身に迫っている中,街で遊ぶ少年を抱きしめて言います,
“少年よ,君は自由で幸福な人間として大きくなるだろう,そしてそれは忌まわしいガムランのおかげだということになるだろう.僕が兇悪なのは君が幸福になるためなのだ.僕が残忍なのは君が善良になるためなのだ.僕が無慈悲なのは,明日,すべてのフランス人が喜びの涙に暮れながら抱き合うためなのだ.”

更に,この作品の影の主役ともいえるのは,エヴァリストの隣人で元貴族のブロト老.彼の言動は非常に哲学的です.彼が語る無神論と,友人となるロングマール神父の論争は興味深く,読み応えがあります.これだけでも,この作品を読む価値があります.プティプティ・カラマーゾフな感じ?(少し言いすぎかも)

いずれにせよ,フランス文学好きのみならず,古典好きなら読んで後悔しない作品だと思います.お薦め.




Evaluation
Interest: ★★★★★
Culture: ★★★★★
Readability: ★★★★★
Reread: ★★★★☆

Total: ★★★★★

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Vargas Llosa !!

今年のノーベル文学賞はバルガス=リョサ(1936-)になりましたね.
まだ,“楽園への道”しか読んだことはありませんが,非常に面白くて楽しめました.その文章の巧みさにも感動したことを覚えています.
きっと,また彼の昔の作品も復刊されることでしょう.楽しみに待ちます.
それにしても,今月,“緑の家”を出版した新潮文庫の先見の明は凄いかも...

ということで,この受賞に刺激を受け,ブログをそろそろ再開します.
まぁ,何とか異動のゴタゴタも片付いてきたからなのですが...
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