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警察署長 (Chiefs : Stuart Woods 1981 )

警察署長〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)警察署長〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)
(1987/03)
スチュアート ウッズ

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警察署長〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)警察署長〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)
(1987/03)
スチュアート ウッズ

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気づくとすぐに更新をさぼってしまう...
無理をしてもしょうがないので,思いついた時だけ更新.

今回は,スチュアート・ウッズ著の"警察署長".

内容は
アメリカ南部の架空の町デラノで起きた連続失踪事件.それを追う3代にわたる警察署長の物語

一応ミステリーですが,前半で犯人は判明します.しかも,物語の大半はこの事件に関することではなく,人種差別問題を絡め,南部の町の発展から衰退に向かう道が描かれています.
40年以上にも及ぶ物語であり,途中で出てくる人物が,"あー,あの時の子供か"などのサプライズもありです.
感じとしては,マルケスの"百年の孤独"に何となく雰囲気が似ているかも.
読後感もすっきりしており,たまにミステリーを読むにはおすすめ.

そもそも,大昔にチャールトン・ヘストンが出ていたTVドラマをNHKがやっていたのを見て非常に面白かった記憶があり読んでみてのですが,また再放送してくれないかなぁ.人種問題で無理なのでしょうか.

Evaluation
Interest: ★★★★★
Culture: ★★★☆☆
Readability: ★★★★★
Reread: ★★★☆☆

Total: ★★★★☆

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供述によるとペレイラは… (Pereira Maintains : Antonio Tabucchi 1994)

供述によるとペレイラは…供述によるとペレイラは…
(1996/11)
アントニオ タブッキ

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昨年亡くなったイタリアの作家アントニオ・タブッキ(1943-2012)の代表作"供述によるとペレイラは..."です.

あらすじ
スペイン内戦期のポルトガル.国内に不穏な空気が流れる中,ペレイラは政治とは離れ,弱小新聞の文芸担当として働いていた.ある日,ふと目に留まった”死”に関する論文に興味を持ち,執筆した若者を助手に雇おうとしたところから,彼の運命が徐々に変わっていく...

冴えない中年記者のペレイラが,知らず知らずの内に政治問題に巻き込まれていきます.前半のゆったりとした中年男性の日常生活から,後半は一転して急速に話が進んでいきます.
物語の最後には,あんなにダメおやじだったペレイラが非常に強い男になっています.一人の人間の変化の物語として良く描けていると思います.

小説として非常に良くできた作品だと思いますが,私の場合は勉強不足のため,スペイン戦争とポルトガルの関係などは馴染みが薄かったので,その辺の知識を入れてから読んだ方がわかりやすいかも.
もちろん,この本を読んでから興味を持って調べても良いと思いますが.



Evaluation
Interest: ★★★★☆
Culture: ★★★☆☆
Readability: ★★★★☆
Reread: ★★★☆☆

Total: ★★★☆☆

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ガートルードとクローディアス (Gertrude and Claudius ; John Hoyer Updike 2000)

ガートルードとクローディアスガートルードとクローディアス
(2002/05)
ジョン・アップダイク、河合 祥一郎 他

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この"ガートルードとクローディアス"は,名前だけでもお気づきの方も多いと思いますが,シェイクスピアの"ハムレット"の"spin-off"作品です.作者は"Rabbit"4部作で知られるアメリカ文学の巨匠ジョン・アップダイク(1932-2009).ノーベル賞こそ獲れなかったですが,晩年まで精力的に書き続けた素晴らしい作家ですね.

今回はあらすじは省きます.
主役はハムレットの母ガートルード.彼女の幼少期から先代王との結婚.その弟クローディアスとの許されぬ関係を描いた作品で,この話のあとに本家"ハムレット"が続くという仕組みになっています.

ただの悪役であったクローディアスや,"弱きもの"ガートルードに深い人間性を与えています.ハムレットがやや精神を病んだ変人風に描かれているのも,この2人の関係に上手く同情の余地を与えています.
結婚相手を自分で選ぶことができず男たちの中で流されて生きてきた女と,尊大な兄の陰に隠れ愛する女と結ばれることすら許されなかった男."ハムレット"の背景となった兄弟殺しという罪が冒されるまでの経緯が非常に繊細に描かれています.
この作品は3部構成になっており,それぞれの部で登場人物の呼び名が変化します.それも時代の流れを上手く表現できていて,さすがの一言.

シェイクスピア好きなら,一度は読む価値のある作品です.


Evaluation
Interest: ★★★★★
Culture: ★★★★☆
Readability: ★★★★★
Reread: ★★★★☆

Total: ★★★★☆

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アルジャーノンに花束を (Flowers for Algernon ; Daniel Keyes 1966)

アルジャーノンに花束をアルジャーノンに花束を
(1989/04)
ダニエル キイス

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今回は気軽に読める有名どころで,ダニエル・キイス(1927-)の"アルジャーノンに花束を"です.
少し前に紹介した"犬の心臓"と同じで,人類を進化させるための手術が少しずつ思惑から外れて行ってしまうというもの.

あらすじ
生まれつき知能に障害のあるチャーリーは大学病院で手術を受けることとなる.ネズミのアルジャーノンを使った実験で,知能の驚異的な発達が見られたからである.手術を受けたチャーリーの知能は急速に発達し,ついには手術をした教授たちも越えてしまう.しかし,先に治療を受けていたアルジャーノンの様子が徐々に変わっていく..

って感じです.SF的な内容ですが,チャーリー自身の葛藤や,周囲の人々の彼に対する態度の変化などが丁寧に描かれ,非常に読みやすいです.
内容的にも何度も映画やTVドラマになっているように,非常に面白いため一気に読めてしまうでしょう.
もちろん知能が高いに越したことはないのでしょうが,それだけでは幸せにはなれないということだと思いますが,チャーリーにとってどちらが良かったのかは...
読んでご判断ください.

Evaluation
Interest: ★★★★★
Culture: ★★★☆☆
Readability: ★★★★★
Reread: ★★★★☆

Total: ★★★★☆

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通過儀礼 ( Rites of Passage ; William Gerald Golding 1980)

通過儀礼通過儀礼
(2001/05)
ウィリアム・ゴールディング、William Golding 他

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ノーベル賞作家ゴールディング(1911-1993)と言えば,"蝿の王"でしょう.それは間違いありませんが,この"通過儀礼"も1980年のブッカー賞を受賞した彼の代表作です.

あらすじ
オーストラリアに向かう帆船に乗り込んだ前途有望な貴族の青年トールボット.帆船には様々な人間が乗っていた.権威を振りかざす船長アンダーソン,善良な先任大尉サマーズ,美しい娘ゼノビアそして牧師のコリー.牧師嫌いのアンダーソンがコリーを目の敵にする状況で,トールボットがゼノビアとの逢引を楽しんでいたその時に,事件は起きていた...

って感じです.物語の形式としては,基本的にはトールボットが上司に宛てた書簡の様な形式で話は進みます.しかし事件が起きた時にトールボットはゼノビアとイチャついていたためいまいち要領を得ません.
その謎は,コリーの書いた手紙と,その後の後日談のような感じで語られ,一応謎は全て解決されます.
話の展開の仕方としては,やはり上手いなぁという感じ.

ただ,出だしは少し辛抱が必要です.舟の上の出来ごとが日記形式で書かれるため,"白鯨"が思い出されます.あのひたすら何も起きないトラウマが呼び起こされますが,今回は100ページ程我慢すると一気に話が進むので,ちょっとの辛抱です.

とにかく,登場人物のキャラが非常に良くかけています.特に主人公のトールボットのダメ人間っぷりには思わず苦笑い.表面的には貴族の好青年ですが,女はたらしこむは,それを他人に押し付けようとするは,上司の権威を盾に偉そうにし放題.それに対し,下層階級出身のサマーズの常識人だこと.それ以外の人々も非常に個性豊かで,気付くと前半の退屈さが嘘のように引き込まれていました.

ノーベル賞作家によるミステリー(?)を楽しみたい人は是非読んでみてください.


Evaluation
Interest: ★★★★☆
Culture: ★★★★☆
Readability: ★★★★☆
Reread: ★★★★☆

Total: ★★★★☆

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