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オデュッセイア(Odysseia : Homeros)

ホメロス オデュッセイア〈上〉 (岩波文庫)ホメロス オデュッセイア〈上〉 (岩波文庫)
(1994/09/16)
松平 千秋

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ホメロス オデュッセイア〈下〉 (岩波文庫)ホメロス オデュッセイア〈下〉 (岩波文庫)
(1994/09/16)
松平 千秋

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新年最初の作品は,ホメロスの“オデュッセイア”です.ご存じの通り,“イリアス”と並ぶホメロスの代表作です.昨年末のランキングに入れようと思っていたら,まだブログに書いていないことが発覚して急いで読みなおしました.

あらすじ
イリアスで描かれた10年にも及ぶトロイア戦争に勝利を収めた後,故郷への帰路についた英雄オデュッセウス.しかし神々の気まぐれにより,愛する家族の待つ家に帰るのには更に10年の歳月が掛かる事となっていた.その間,彼の家では愛する妻ペネロペイアに言い寄る男達が好き放題に財産を食い散らかしていくのであった...

イリアスが一つの戦場だけを舞台にしているのと異なり,こちらは気の遠くなる程の旅をします.途中冥界にまで立ち寄ってしまいますから.しかも,旅の途中は難題が山積み.巨人に幽閉されるは,魔女に気に入られるは,海の魔物に襲われるは....そして,ついに部下たちを全て失い,単身海に投げ出されてしまいます.
こんな感じで10年にも及ぶ漂流記が上巻に描かれ,下巻ではついに故郷イタケにたどり着きます.
ここからが,読みどころ.傍若無人の限りをつくしていた求婚者たちにきつい御仕置が待っています.そして,あぁスッキリしたという感じで,無事大団円を迎えます.
まぁ,水戸黄門で良く見かける展開ではありますが,ストーリーは非常に楽しめました.
神々の気まぐれに人間が翻弄されて,あっさりと死んでいくのは御約束のご愛敬ということで.

今読んでも普通に面白いと思える作品です.3000年近く前に作られたとは驚きですが,だからこそ現代まで傑作として残っているのでしょうね.イリアスとどっちも読むべき作品ですが,こちらの方が読みやすいと思います.ただ,イリアスを読んでから読むと,懐かしのキャラクターがいっぱい出てきてちょっと嬉しくなります.

Evaluation
Interest: ★★★★★
Culture: ★★★★★
Readability: ★★★★☆
Reread: ★★★★☆

Total: ★★★★★

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リューシストラテー;女の平和(Lysistrata : Aristophanes BC411)

ギリシア喜劇全集〈3〉アリストパネース〈3〉ギリシア喜劇全集〈3〉アリストパネース〈3〉
(2009/01)
丹下 和彦、

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気づいたら本の紹介が100冊目!1冊目が“イリアス”でしたから,100冊目も古典にしましょう.
ソポクレースアイスキュロスエウリーピデースらギリシア悲劇作家は有名ですが,それと並ぶ喜劇作家がこのアリストパネース(BC446-BC385)です.
そして,彼の代表作がこの“リューシストラテー”.邦題としては“女の平和”の方が馴染みがあるかもしれませんね.

アテネとスパルタの間で繰り広げられたペロポネソス戦争.何とか戦争を止めさせようとする女性リューシストラテーが主人公です.彼女が用いた方法は,敵味方全ての女性を巻き込んだセックス・ストライキ.戦争を止めない限り,セックスをさせてあげない!!というものです.そして,男たちはあっさりと音をあげてしまうのです.

まぁ,設定からして下ネタです.“くだらない”と言ってしまえばそれまでですが,思わずくすりと笑ってしまいます.しかし,よく読むと戦争の問題や女性の参政権の問題なども題材としており意外と奥が深い?

ただ,喜劇ですから.“くだらない”で良いんでしょう.そして,そんな“くだらない”話の展開であっさりと戦争を破棄してしまう男たちに“それはないだろ”と突っ込みたくなります.
しかし,今現在戦争が無くならないということは実際の人類がアリストパネースの描く喜劇以下ということでしょうか.

Evaluation
Interest: ★★★★☆
Culture: ★★★★☆
Readability: ★★★★☆
Reread: ★★★☆☆

Total: ★★★★☆

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アウグスティヌス告白録(Confessio : Aurelius Augustinus 398)

アウグスティヌス著作集 5/I 告白録 (上)アウグスティヌス著作集 5/I 告白録 (上)
(1993/09)
アウグスティヌス

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古代キリスト教神学者アウグスティヌス(354-430)の著書の中で最も読まれているのはこの“告白録”でしょう.

前半は正に“告白”.偉大な神学者の過去が赤裸々に記されています.“ちっちゃな頃から悪ガキで....”ってやつです.
盗みは働くは,適当に女に手は出すは,なかなか洗礼を受けずに母を困らせるは...あげくマニ教にハマる始末.
しかし,遂にそんな彼にも信仰の窓が開かれるのです.

どんな時にも息子のために祈りを捧げる母モニカの強い愛に感動します.
その愛と信仰が彼を正しい道へと導いていったのでしょう.

そして,後半では一心に神への道を歩みます.
前半とは一転して彼の思想・哲学が濃密に描かれます.
時間の観念などは比較的分かりやすいですが,聖書の解釈になると難しい...キリスト教徒でない私には完全な理解は無理かも.

大雑把に分けると,上巻は自叙伝,下巻は哲学書になっています.
上巻は比較的読みやすいので,そちらだけでも読むべきかも.

Evaluation
Interest: ★★★☆☆
Culture: ★★★★★
Readability: ★★☆☆☆
Reread: ★★★★★

Total: ★★★★☆

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アエネーイス(Aeneis : Publius Vergilius Maro BC19)

『アエネーイス』ローマ建国神話『アエネーイス』ローマ建国神話
(2000/06)
プープリウス・ウェルギリウス マロー

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古典好きなら必読の書,ウェルギリウス(BC70-BC19)の“アエネーイス”.
話としては,ホメロスの“イリアス”の続き.

10年にも及ぶトロイア戦争がギリシア側の奇策(トロイの木馬)によって終結.負けたトロイアは女神ヴェヌスの子アエネーイスを王に掲げ,運命の女神に導かれイタリアへ渡りローマを建国する...(実際には途中までですが)

というのが,大まかな流れ.しかし,途中神々の思惑に翻弄され,様々な出来事がトロイア軍を襲います.

ただ,この様々な出来事の一つ一つがとてもよく出来ています.
思わず涙してしまう悲恋あり,手に汗握る戦いあり,そしてダンテの“神曲”の基となった冥界への旅もあり...

以降の西洋文学に多大な影響を与えた同書ですが,やはり“神曲”との絡みはとても重要でしょう.
ダンテ自身も非常にこの本を意識して書いております.ウェルギリウスが出てきて地獄,煉獄と旅するダンテを導く位ですから.

そんな文学的な重要性を抜きにしても,この本は非常に面白いです.2000年も前に書かれたとは思えないくらいに楽しめます.エンターテイメントの固まりと言っても良いぐらい盛りだくさんなので,是非読んでみてください.

Evaluation
Interest: ★★★★★
Culture: ★★★★★ 
Readability: ★★★☆☆
Reread: ★★★★★

Total: ★★★★★


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ヨブ記(The Book of Job)

ヨブ記ヨブ記
(2003/06)
トマス ムーア鏡 リュウジ

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ヨブ記”の解釈は本当に難しいですね.何のために書かれたのでしょうか.

大雑把なあらすじは
神を信じ,心から敬う善良な民ヨブが家族や家畜に囲まれ幸せに暮らしていました.そこで,サタンが神に言います.“あなたが彼を幸せにしているから,彼は神を信じているのだ”と.そこで神はサタンにヨブの家族や財産を奪うことを許します.子供たちが死に,家畜も全て失ってもヨブは神を信じ続けます.
続けてサタンは“彼自身の体に害が及べばあなたを呪うに違いない”といいます.そこで神は死なない程度に害を及ぼすことを認めます.それでもヨブは神を信じようとします.しかし,友人たちが訪れた時についに口にします,“何故...”.

ここからは延々と友人たちとの議論が続きます.基本的な主張は,友人たちは“神が罰せられるということはあなたが悪いことをしたのだ.”というもの.それに対しヨブは“誓って悪いことはしていない.”と繰り返します.
最後に若いエリフが出てきて.“神に意見を言うことすら間違いであり,善悪は神が決めること”など神の絶対性を主張します.
そして神自身の登場.神の偉大な力をヨブに見せつけ平伏させます.満足した神はヨブを再び幸せにします.

何でしょう,この話は...

キリスト教徒の方は怒られるでしょうが,失礼を承知であえて神を人間に置き換えると,

忠実なペットを飼っていたが,どこまで怒らないか試してみたくなる.そこでペットの兄弟たちを処分し,餌も与えないでおいてみたが,まだなついてくる.次に煙草の火を押し当ててみたところ,最初は我慢していたがついに“ワン”と一吠えした.頭に来た飼い主は,自分の力を見せつけてペットに上下関係を再認識させる.そして満足したのでまた餌をあげる.

といったところか.

この飼い主は善か?こう考えてはヨブと同じ過ちをしてしまっているという事でしょうか.

神はそういったことを超越した絶対の存在である.
そう言いたかったのでしょうか.

分からない....

Evaluation
Interest: ★★★★★
Culture: ★★★★★
Readability: ★★★★☆
Reread: ★★★★★

Total: ★★★★★

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