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通過儀礼 ( Rites of Passage ; William Gerald Golding 1980)

通過儀礼通過儀礼
(2001/05)
ウィリアム・ゴールディング、William Golding 他

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ノーベル賞作家ゴールディング(1911-1993)と言えば,"蝿の王"でしょう.それは間違いありませんが,この"通過儀礼"も1980年のブッカー賞を受賞した彼の代表作です.

あらすじ
オーストラリアに向かう帆船に乗り込んだ前途有望な貴族の青年トールボット.帆船には様々な人間が乗っていた.権威を振りかざす船長アンダーソン,善良な先任大尉サマーズ,美しい娘ゼノビアそして牧師のコリー.牧師嫌いのアンダーソンがコリーを目の敵にする状況で,トールボットがゼノビアとの逢引を楽しんでいたその時に,事件は起きていた...

って感じです.物語の形式としては,基本的にはトールボットが上司に宛てた書簡の様な形式で話は進みます.しかし事件が起きた時にトールボットはゼノビアとイチャついていたためいまいち要領を得ません.
その謎は,コリーの書いた手紙と,その後の後日談のような感じで語られ,一応謎は全て解決されます.
話の展開の仕方としては,やはり上手いなぁという感じ.

ただ,出だしは少し辛抱が必要です.舟の上の出来ごとが日記形式で書かれるため,"白鯨"が思い出されます.あのひたすら何も起きないトラウマが呼び起こされますが,今回は100ページ程我慢すると一気に話が進むので,ちょっとの辛抱です.

とにかく,登場人物のキャラが非常に良くかけています.特に主人公のトールボットのダメ人間っぷりには思わず苦笑い.表面的には貴族の好青年ですが,女はたらしこむは,それを他人に押し付けようとするは,上司の権威を盾に偉そうにし放題.それに対し,下層階級出身のサマーズの常識人だこと.それ以外の人々も非常に個性豊かで,気付くと前半の退屈さが嘘のように引き込まれていました.

ノーベル賞作家によるミステリー(?)を楽しみたい人は是非読んでみてください.


Evaluation
Interest: ★★★★☆
Culture: ★★★★☆
Readability: ★★★★☆
Reread: ★★★★☆

Total: ★★★★☆

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犬の心臓 ( Heart of a Dog : Mikhail Bulgakov 1968 )

犬の心臓 (KAWADEルネサンス)犬の心臓 (KAWADEルネサンス)
(2012/01/24)
ミハイル・A・ブルガーコフ

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気付けば,忙しくて1年半ほどブログを放置してしまっていた...昔見てくれていた人たちも流石にもういないか..
4月からの転勤で,久しぶりにゆっくり本を読む時間ができたので,ボチボチ再開していきます.

再開第1弾は

ブルガーコフ(1891-1940)の"犬の心臓".
久しく読書ができていなかった人間のリハビリにはやっぱりブルガーコフ.ちょっとおどろおどろしい雰囲気ですが,一気に引き込まれ,1日で読み切りました.

あらすじ
街で寒さと飢えに震えていた野良犬のシャリクは,死も覚悟したある日,病院の匂いのする紳士に拾われる.暖かい家と美味しい食事にありついたシャリクであったが,彼の知らないところである実験が行われようとしていた...

って感じの話です.実際にはロシア革命後の体制を揶揄した作品のようですが,この作品に関しては,そんな小難しいことは抜きにして,純粋に幻想小説として楽しむのがよいと思われます.シャリクの変容していく様,彼の巻き起こす騒動は,恐ろしくも,少しニヤッと笑ってしまいます.
感の良い人なら予想できてしまう結末も,テンポがよく,物語の語り部を巧みに入れ替えることで飽きさせずに読ませ切ります.
あと,この物語のキーパーソンはアパートの管理委員のシヴォンデルという男.ソビエト新体制に従順な市民のこの男は,徹底的に教養のない無能な男として描かれます.これは,旧ソ連では出版できないなと納得.
それでも時代が変わり,この作品が日本で楽しめるようになったことは喜ばしいことですね.ゴルバチョフ偉い!!

普段,本を読まない人でも楽しめる作品だと思います.
注意点としては,電車の中でカバーをせずに読んでいると,知らない人からはちょっと趣味の悪い人と思われる危険があることくらいでしょうか...


Evaluation
Interest: ★★★★★
Culture: ★★★☆☆
Readability: ★★★★★
Reread: ★★★☆☆

Total: ★★★★☆

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テーマ : オススメの本 - ジャンル : 本・雑誌

から騒ぎ(Much Ado About Nothing 米英 1993)

から騒ぎ [Blu-ray]から騒ぎ [Blu-ray]
(2011/05/27)
ケネス・ブラナー、マイケル・キートン 他

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最近忙しくて,あまり読書をする時間がなく,映画の話ばかり...
今回は,シェイクスピアの同名の作品を映画化した“から騒ぎ”です.シェイクスピア大好きのケネス・ブラナーが監督です.

あらすじ
王子ドン・ペドロ率いる一隊が戦の帰りに,メシーナを訪れる.そこで,王子の右腕のクローディオがメシーナの領主の娘ヒーロと恋に落ち,結婚を約束する.しかし,クローディオを嫌う王子の異母弟ドン・ジョンがその結婚の邪魔をしようと企むが...

みなさん御存知だとは思いますが,これは喜劇です.ストーリーは基本原作通りですから,面白くて当然.クローディオとヒーロの恋に,ケネス・ブラナー演じるベネディックとエマ・トンプソン演じるベアトリスの恋も加わり,テンポよく話が進んでいきます.映像も非常に華やかで美しいです.“ハムレット”から一転してはしゃぎ回るケネス・ブラナーは故エディ・ゲレロにそっくりですが,まぁそれはいいでしょう.
なによりも,喜劇なので安心してみていられます.これがシェイクスピア悲劇だったら,終盤にかけて全員死んでいることでしょうが,万事丸く収まってメデタシメデタシです.

そんな感じで,ストーリー展開は完璧ですが,この映画の特徴はそのキャスティングでしょうか.王子が何故かデンゼル・ワシントン.そして,その弟がキアヌ・リーブスって...
皮膚の色での偏見は持たないようにしているつもりですが,さすがに兄弟は無理があるのでは...
あと,ベアトリス役もエマ・トンプソンよりも綺麗な女優さんはいくらでもいる気が...
ただ,外見よりも演技を重視しているというのは,映画としてよりも一つの舞台としてこの作品を作り上げたかったケネス・ブラナーのこだわりでしょうか.確かに見終わる頃には違和感はなくなってきますが.

配役の違和感さえ乗り越えられれば,非常に楽しい作品です.シェイクスピア作品の映画化されたものとしては,とっつきやすい部類に入ると思います.

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ナバロンの要塞(The Guns of Navarone 米 1961)

ナバロンの要塞  製作50周年記念 HDデジタル・リマスター版 [Blu-ray]ナバロンの要塞 製作50周年記念 HDデジタル・リマスター版 [Blu-ray]
(2011/10/26)
グレゴリー・ペック、アンソニー・クイン 他

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元祖娯楽大作!?の“ナバロンの要塞”.様々な分野のスペシャリストが集結して,少人数で敵の大軍に立ち向かっていく,いかにもアメリカが好きそうな映画です.

あらすじ
ギリシャのケロス島で孤立したイギリス軍2000人を救出するために,ナバロン島にあるドイツ軍の要塞を破壊する計画が立てられる.そして,その任務を任されたのが,登山家のキースを中心とした,爆弾専門家,レジスタンスなどからなるスペシャリスト集団であった...

正直,内容はどうでもいいでしょう.このジャンルの映画は痛快であればよいのです.そこだけは自信をもってお薦めできます.もちろん,裏切りや確執などの人間模様も楽しめますが,そんなものよりも戦車や飛行機など,当時としては驚異的であったであろう物量に圧倒されます.
それに,さも史実かのように描かれていますが,全くの創作と言うのも良いですね.

ただ,この映画の見所はやはり豪華キャストでしょう.
主役は“ローマの休日”や“アラバマ物語”のグレゴリー・ペック.格好良いです.ちょっとした彼のPVみたいです.
さらには,爆破専門家のミラーは,デヴィッド・ニーヴン.The英国紳士って感じですかな.責任から逃れようとする,少し気の弱い役を上手く演じています.
レジスタンス役のアンソニー・クインもいい味を出しています.
内容のない映画(失礼!)にアカデミー賞俳優をこれだけ揃えるのも凄いですよね.

安心して最後まで観れる,日曜洋画劇場的な映画です.4週連続ダイ・○-ドをやる位なら,この辺の懐かし映画もまたやってほしいものです.

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ティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany's 米 1961)

ティファニーで朝食を [Blu-ray]ティファニーで朝食を [Blu-ray]
(2011/12/16)
オードリー・ヘプバーン

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オードリー・ヘプバーン(1929-1993)の代表作の1つ“ティファニーで朝食を”.有名な作品ですから,観た方も多いでしょうし,観たことがなくても名前くらいはほとんどの方がご存じでしょう.

あらすじ
男性から巧みに小金を巻き上げながら,気儘に生きる美しい女性ホリー.彼女のアパートの上の階に,有閑マダムに養われる作家ポール・バージャク(ジョージ・ペパード)が引っ越してくる.そして,すぐに二人は友人となる.
大金持ちとの結婚により,今の生活を変えたいと望むホリーであったが....

この映画が大好きな人には申し訳ありませんが,個人的には,映画のストーリー自体はそこまで素晴らしいとは思いません.オードリーも,自由に憧れながらも,自分の檻に閉じこもってしまう女性を懸命に演じているのは伝わってきますが.“ローマの休日”の時の方が遥かに彼女の魅力を生かし切れていると思います.
それでも,私は結構好きです.一つは,やはり名曲“ムーン・リバー”の使い方が上手い.見終わった後に,おもわず鼻歌で歌ってしまう人は多いのではないでしょうか.
あとは,とにかく全体の雰囲気ですね.早朝,開店前のティファニーを覗きながらオードリーが朝食をとる有名なオープニングから雨の中のエンディングまで,とにかく全ての場面が洒落ています.登場人物のファッションや,立ち居振る舞いも素敵です.

そして,私たち世代には“特攻野郎Aチーム”のハンニバル役で知られる,ジョージ・ペパードが見られるのも嬉しいところ.いいんです,演技が上手くなくたって...懐かしさでほっとします.

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